電磁波①

 テレビ放送、ラジオ、携帯電話、電子レンジ、レントゲン撮影、…などなど、実にさまざまな場面で利用されているのが電磁波です。
 しかし、電磁波は目に見えないため、利用していることを意識しにくいものです。
 そこで、電磁波とは何か、どのような種類があってそれぞれどこで使われているのか、といったことを紹介していきたいと思います。

 まずは、電磁波がいつ頃発見されたのかという話からスタートします。

 電磁波の存在を予言したのは、イギリスのマクスウェル(18311879)です。予言したのは1871年でした。
 マクスウェルは、いくつかの法則をまとめて電磁気学を完成させた物理学者です。マクスウェルは、その中の2つの法則から電磁波の存在を予言しました。
 1つは、「磁場の変化が電場を生む」という法則です(電磁誘導の法則)。もう1つは、「電場の変化が磁場を生む」というものです(変位電流の法則)
 2つの法則から、「あるところで電場の変化が起こると、それが周囲に磁場の変化を生む。すると、磁場が変化するのでその周囲に電場の変化が生じる。そして、その電場が変化して…」といった感じで、電場と磁場の変化が交互に伝わっていくことが分かります。この「電場と磁場の変化が交互に伝わっていく波」のことを「電磁波」と言うのです。

 このように、電磁気学の法則をもとにマクスウェルは電磁波の存在を予言しましたが、生存中にその存在を確認することはできませんでした。

 電磁波の存在を実験によって確認したのは、ドイツのヘルツです(周波数の単位Hzのもとになった人)1888年のことでした。
 ヘルツは、次のような電磁波の定常波を作りました。変化する電場によって発生した電磁波と、それが反射板で跳ね返ってきたものとが強めあった定常波です。








 このとき、図のAの位置では、定常波の振幅が0であるため受信器では何も起こりません。しかし、Bの位置では定常波の振幅が最大なので、受信器でも最大の火花が生じます。
 このように、受信器に火花が全く生じない位置と火花が最大になる位置とを測定することで、電磁波の波長を求めることができました。
 また、発生する電磁波の周波数は変動電場の周波数と一致します。

 ここから、電磁波の「速さ」=「周波数」×「波長」という関係を使って、電磁波の速さを求められます。

 ヘルツが実験から求めた結果、電磁波の速さは秒速
30kmでした。
 この値は、光速と全く同じです!これは偶然ではなく、当然の結果です。なぜなら、光も電磁波だからです。

 実は、このこともマクスウェルは予言していました。マクスウェルは、実験的にではなく、理論から電磁波の速さが光速と同じになることを導き出し、光は電磁波であると説明したのです。
 そして、そのことをヘルツが実際に実験によって確かめたというわけです。

 さらに、
1901年にはマルコーニが電波を使ってドーバー海峡を隔てた無線通信に成功しています。




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