電磁波③

 電磁波の中でも、波長が長い(すなわち周波数が小さい)範囲のものを「電波」と言いました。
 電波は実にさまざまな用途に使われていますが(私たちの周囲は電波だらけ)、その1つがラジオです。

 ラジオで伝えるのは音声ですが、音波はそのままではあまりにも周波数が小さく、電波の周波数からは大きく外れています。そこで、扱いやすい周波数の電波で搬送波を作り、そこへ音波を乗せて送るという形をとっています。


 ラジオ放送には2種類あります。AMラジオとFMラジオです。
 AMとは、「振幅変調」のことです。伝えたい音声情報を振幅の変化という形の信号にして、送るのです。実際の方法は、次のように搬送波の振幅を変調することで音声情報を伝えています。
 







 一方、FMとは「周波数変調」のことです。伝えたい音声情報を、周波数の変化という形の信号にして送るのです。実際の方法は、次のように搬送波の周波数を変調することで音声情報を伝えています。








 電波を使って情報を伝えるには、このように2つの方法があるのです。

 ちなみに、AMラジオで使用する電波の周波数は530 1600 kHzで、波長は190 570 mです。前回示した分類表の中の、MF(中波)ですね。
 一方、FMラジオでは、周波数76 90 MHzの電波を使います。波長は3.3 4 mです。こちらはVHF(超短波)です。

 FMは周波数の変化によって情報を伝えるため、大きい周波数の電波を使う必要があるのです。しかし、周波数が大きい分、波長は小さくなります。そのため、回折(障害物の裏へ回り込むこと)が小さくなります。つまり、AMに比べてFMの方が、受信が難しくなるのです(波には、波長が大きい方がよく回折するという性質があります)

 AMは振幅によって情報を伝えるため、ノイズによって振幅が乱れてしてしまうと、情報を正しく伝えられなくなってしまいます。これが欠点ですが、使用する周波数帯が狭くてすむ(周波数の節約になる)というメリットも持っています。
 これに対して、FMは周波数で情報を伝えるため振幅の乱れを気にしなくてよい(ノイズに強い)というメリットがありますが、幅広い周波数帯を使わなければならないのがデメリットです。
 



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