電磁波⑤

 ラジオには、国際放送もあります。海外へ電波を伝えるのは大変そうですが、どのようにして届けているのでしょう?

 地球の上空には、「電離層」というエリアがあります。これは、太陽光線や宇宙線(宇宙からやってくる放射線)によって、大気中の原子や分子がプラズマ状態(原子から電子がはじき出されて、陽イオンと電子が混ざっている状態)になった大気層のことです。電離層はいくつかの階層に分かれているのですが、電波はそれぞれ次のように電離層で反射します。







 ここから分かるように、F層で反射するHF(短波)が最も遠くへ届きます。そのため、国際ラジオや船舶無線、アマチュア無線など遠距離通信にはHFが利用されているのです。
 実際には、F層で反射した電波が地表で反射し、それがまたF層で反射して、という感じで何度も反射を繰り返しながら世界中へ伝わっていきます。

 ちなみに、E層で反射するMF(中波)は、D層でほとんど吸収されてしまいます。そのため、基本的には地表を伝わる電波として、AMラジオなどで使われています。ただし、夜間はD層が消えるので、E層で反射して遠くまで届きます。夜間に遠くの放送局の電波を受信できることがあるのは、このためです。




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