携帯電話と同じUHF(極超短波)を利用しているのが、電子レンジです。電子レンジでは2.45
GHzのマイクロ波を使っています。
電子レンジ内のマイクロ波を発生させる部分には、モリブテンという金属を使います。モリブテンは鉄に混ぜると強度が増すため、車体、橋のワイヤー、包丁などにも使われている金属です。
モリブテンが電子レンジに利用されるのは、その融点が2623℃とたいへん高いためです。というのも、電子レンジでマイクロ波を発生させるときには、発生部分は1500℃にもなるからです。
さて、電子レンジで発生する2.45
GHzのマイクロ波によってものが温められるのはなぜでしょう?それは、マイクロ波には水分子(H2O)を振動させる働きがあるからです。
「電磁波①」で説明したように、電磁波とは簡単に言えば「電場と磁場の振動」のことです。今回は、このうちの「電場の振動」が活躍します。
水分子(H2O)には極性があります。H2OのHの方が+、Oの方が-の電気を持っています。だから、水分子(H2O)は電場から力を受けて、ブルブルと振動するのです。このとき、水分子はマイクロ波と同じ2.45
GHz=24.5億Hzという周波数で振動します。つまり、1秒間に24.5億回も振動するということなのです!!ミクロな世界(目に見えない小さな世界)では、ものすごいことが起きているのだと分かります。
このように物体に含まれる水分子が激しく振動することで、物体全体の温度が上がるのです。
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