電磁誘導の発見④

 ファラデーの電磁誘導の発見がなければ、今日使用している発電機も存在しませんでした。まさに偉大な発見だったわけですが、逆に、なぜこの現象はそれまで発見されなかったのでしょう?
 電磁誘導の発見が困難だった大きな原因は、「定常磁場(変化しない磁場)」では電磁誘導は起こらない、ということです。
 どんなに強力な磁場があっても、その磁場が“変化しなければ”電圧は生まれません。この点に気付いたのが、ファラデーの偉大さなのです。
 もし“変化しなくても”磁場さえあれば電圧が生じるのなら、永久磁石とコイルを置いておきさえすれば、コイルを回転させなくても永久に電流が流れつづけることになります。エネルギーが湧き出してくる宝箱という感じです。しかし、そんなことはあり得ません。エネルギー保存則に反するからです。
 ファラデーが電磁誘導を発見した当時は、まだそのようなことが充分に認識されていない時代だったのです。

 なお、人類にとって極めて貴重な発見をしたファラデーですが、彼は一生涯1つも特許を取得しなかったそうです。もし特許を取っていれば想像もできないほどの大金を手に入れたはずなのですが、彼はそれを望まなかったのでしょう。




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