電磁誘導の利用②

 前回に続き、電磁誘導の利用例を紹介します。


電気自動車の充電







 電気自動車は、普通は充電器を差し込んで充電します。そのため、特定の場所でしか充電できず、充電に時間がかかってしまうことが課題となっています。さらに、1回の充電で走れる距離の短さも課題です。
 これらの課題を解決する1つの方策として、電磁誘導を応用した充電方式が研究されています。

 上の図のように、地面の中にコイルを埋め込んでおきます。これに交流電流(変化する電流)を流すと、変化する磁場を生み出します。そして、電気自動車側にもコイルを装備しておけば、電気自動車が地中のコイルの真上にきたとき、電磁誘導によって充電されます。この方法なら、一切接触せずに充電することができ、便利です。
 例えば、街中を周回するバスは頻繁に停車します。そこで、各停車位置にコイルを埋め込んでおき、充電するのです。そうすれば、バッテリー切れということが起こらず、走りつづけることができます。これなら、充電器差し込みによる長時間の充電が不要となります。
 このような無接点充電方式は、携帯電話やコードレス電話、電動歯ブラシの充電などで実用化されています。また、工場内を移動するロボットの充電(移動経路に給電線を敷き、電磁誘導で充電する)にも利用されています。



○ 高温にならないアイロン

 アイロンは使用時に高温になるので、使用後も不注意で触ってしまうと、大変危険です。そこで、電磁誘導方式にするのです。
 アイロンの中にコイルを入れ、コイルの電流を変化させてアイロン台(金属製にしておく)に渦電流を生じさせます。渦電流が生じたアイロン台は発熱しますので、普通のアイロンと同じように利用できます。この仕組みなら、(アイロン台は高温になりますが)アイロン自体は熱くならないので、危険が避けられるだろうというわけです。




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