ガス漏れ警報器

 導体は、温度が上昇すると抵抗値が大きくなりますが、半導体の場合は逆で、温度が上がると抵抗値が小さくなります。
 ガス漏れ警報器では、半導体のこの性質を利用しています。








 ガス漏れが起こると、ヒーターでガスが燃焼します。すると、燃焼による発熱で感温素子(半導体)の温度が上がり、抵抗が小さくなります。
 この感温素子を、次のように回路の中へ組み込んでおきます。







 基準設定回路とは、電圧が常に一定値VBに保たれた回路です。VBの大きさは、平常時にはVAVBとなるように設定されています。
 比較IC回路は、VAVBとなったときだけ電流を出力する回路です。ですので、平常時には電流を出力しません。比較ICからの出力がなければトランジスタに電流は流れないので、ブザー回路にも電流が流れず、音が出ないというわけです。

 ここで、ガスの燃焼により感温素子の温度が上がり、抵抗値が下がった場合を考えます。感温素子の抵抗が小さくなると、その電圧も小さくなります。すると、図中の温度補償回路という部分の電圧VAが大きくなります。
 そして、
VAVBとなると比較ICから電流が流れ、トランジスタのスイッチがオンになり、ブザーが鳴るという仕組みです。

 しかし、これでは感温素子の温度が上がりさえすればブザーが鳴ることになり、例えば調理によって温度が上がっただけでもブザーが鳴ってしまいます。これを防ぐために、温度補償回路というものが組み込まれています。これは、感温素子と同じものでできていて、ガスを燃焼させるヒーターからは離れたところに置かれています。すると、ただ温度が高くなっただけのときには、感温素子、温度補償回路ともに温度が上がって抵抗値が下がるので、それぞれの電圧に変化は起こりません。しかし、ガス漏れのときには感温素子の温度だけが上がるので、先ほど説明したように温度補償回路の電圧が上がるというわけです。




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