コピー機とレーザープリンター

 1445年頃、ドイツのグーテンベルクによって活版印刷術が発明されました。文字を金属や木の小さな棒の先に彫り込んだ版へ、紙を押し当てて印刷する技術です。これによって同一の文書が大量に出回るようになり、知識の拡大が容易になりました。1つの発見が印刷物を通して多くの人に広がり、知識が共有され、科学の進歩はスピードアップしていったのです。
 活版印刷術の発明はこのようにとても画期的なもので、1980年頃まではこれで書籍を印刷していました(現在の書籍の印刷には、コンピューター上に版を作ってプリンターで印刷する、DTPという技術が使われています)

 そして、現在では電気を使うことで簡単に印刷物をコピーすることができます。今回はコピー機の仕組みについて解説します。

 以下に説明するように、コピー機は静電気を上手に利用しています。
 コピー機の中には回転するドラムが入っています。ドラムの表面には感光体が塗られています。感光体とは、光が当たると電気を通しやすくなる物質のことです。
 この感光体の塗られたドラムを、まず正に帯電させておきます。





 次に原稿に光を当て、その反射光を上の感光体に当てます。原稿の明るい(白い)部分からは光が強く反射してきて、暗い(黒い)部分からは光が反射されません。
 そして、光が当たった部分からは(感光体が電気を通しやすくなるので)正の電荷が移動して消えてしまい、光が当たらない部分にだけ正の電荷が残ります。






 ここへ、負に帯電させたトナー(黒い粒子)を振りかけます。すると、静電気力によって感光体の正の電荷が残った部分にのみトナーが付着します。






 ドラムを回転させ、付着したトナーを紙へ転写します。これで原稿の白黒を写すことができました。







 以上がコピー機の仕組みです。
 そして、私たちの身近なものでこれとほぼ同じ仕組みを利用しているのが、レーザープリンターです。
 プリンターには大きく分けてレーザープリンターとインクジェットプリンターがあります。インクジェットプリンターは紙にインクを直接吹き付けるものです。インクジェットの方が細かいところまできれいに印刷できますが、大量に印刷する場合、一枚ずつにインクを吹き付けるので時間もかかり、インク代もかかってしまいます。大量の印刷には、コピー機と同じ原理のレーザープリンターの方が向いています。




トップページ   サイトマップ 

inserted by FC2 system