交流送電のデメリット

 交流送電には、「電圧を変換できる」「交流モーターを使える」という大きな2つのメリットがあることを説明しました。この2つのメリットがあるため、世界のほとんどの送電は交流で行われています。
 では、交流送電にデメリットはないのでしょうか?何事にもよい点があれば悪い点もあるもので、交流送電にもデメリットはあります。
 大きなものを2つ挙げます。1つは、電圧の実効値は100 Vでも、最大値は約141 Vになる、ということです。直流であれば100 Vなら100 Vのまま電圧は一定ですが、交流の場合は電圧が常に変動します。だから、瞬間的には高電圧になってしまうのです。そのため、より絶縁を強化する必要があります。
 もう1つは、いくつかの電流を合流させるとき、そのタイミングを合わせるのが難しいという点です。これも、直流であれば電流値が一定なので難しくありませんが、交流電流の値は変動するため、タイミングをずらしてしまうと弱め合うことにもなってしまいます。

 このように、交流送電より直流送電の方がよい点もあるので、一部では直流送電を採用しています。日本では北海道と本州、四国と本州を結ぶ送電でそれぞれ利用されています。




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