オームの法則の発見

 V RI と表されるオームの法則。1826年、ドイツの物理学者オームによって発見された法則です。単純な式ですが、電圧Vと電流Iの関係をシンプルに表す、重要な式です。
 実は1826年当時、発明されていた電池はボルタ電池くらいでした(ダニエル電池や乾電池、鉛蓄電池などはまだ発明されていませんでした)。しかもこのボルタ電池は、すぐに電圧が下がってしまいます。そもそも電流を発生させられなければこの法則を発見できるはずがありませんが、オームはどのようにして電流を発生させたのでしょう?(現在なら、乾電池を使って容易に電流を生み出せますが、当時は上に書いたような状況で、オームは非常に苦労しました)

 オームが利用したのは、1822(オームの法則発見の4年前)、同じくドイツのゼーベックによって発見された「熱電対による熱起電力効果」です。
 少し難しいですが、下の図を見てもらえば概要がつかめるかと思います。
 銅とビスマスという異種類の金属を接触させたものを2つ準備し、温度差を作ります。このとき下のように配線すれば電流が流れるという現象です。







 ゼーベックの発見があったからこそ、オームの法則の発見もまた生まれたのです。つの科学法則の発見が、次の発見へとつながることはよくありますが、その1つの例と言ってよいでしょう。
 次回はこのゼーベックの発見について、もう少し詳しく説明したいと思います。




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