ホール効果

 1879年にアメリカの物理学者、エドウィン・ホールによって発見された「ホール効果」という現象は、電子回路で「スイッチ」や「センサー」として利用されています。
 まずは基本原理を説明します。







 上のように、電流の流れている半導体に磁場をかけると、ホール効果で電圧が発生します。例えば、磁石を付けたボタンがあれば、ボタンを押すと磁石が半導体に近づいて磁場が増加するため、検知される電圧も大きくなります。ホール効果を「スイッチ」や「センサー」に応用しているのです。
 このように、ホール効果を利用して磁場の変化を検出するセンサーを「ホール素子」と言います。

 より具体的な例で説明します。








 上の図では、歯車の凸部と凹部が通過するたびに磁場が変化するようになっています。これをホール素子が検知して信号を出力すれば、歯車が回転している速度を正確に把握することができます。
 例えば、必要以上に歯車が回転していたらモーターを制御する命令を出すようにもできます。このように、ホール素子は省エネ実現のためにも欠かせないものとなっています。

 世界で使われるホール素子の約70%は、旭化成で生産されています。生産数は、年間に12億個以上にもなるそうです。それほど広く利用されているのがホール素子です。

 ちなみに、『変化する』磁場であれば電磁誘導を利用して検知することもできるのですが、電磁誘導では『変化しない』磁場を検知することはできません。だから、変化しない磁場も検知できるホール素子が活躍するのです。




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