3D映像の仕組み

 3D映像を専用メガネを通して見ると、映像中の人やものが飛び出して見えたり遠くに見えたりします。もともとは平面上の(2D)映像なのに、それが立体的に見えるのは不思議な感じがします。その仕組みを考えてみましょう。

 片目を瞑って試せば確認できますが、私たちの右目と左目にはそれぞれ異なる映像が映されています。







 これをうまく利用することで、奥行きを感じる映像を作ることができます。

 まずは、人やものがスクリーンより奥にあるように感じさせる方法です。






 このように右目用の映像と左目用の映像を別々に映し出すことで、脳は物体がスクリーンより奥にあるように認識します。

 また、次のように映像を映せば物体が手前にあるように認識します。






 ここで問題になるのが、どのようにして右目用の映像は右目だけに、左目用の映像は左目だけに見せるかということです。このために必要なのが、専用グラスです。

 専用グラスにはいくつか種類がありますが、
1つは左右交互にシャッターが開くタイプです。これにより、右目と左目が交互に映像を見ることになり、そのタイミングに合わせて右目用と左目用の映像を交互に映すという方法です。その切り替えの速さは120 Hzほど(1秒間に120回、交互に映す)です。このくらい高速で切り替わるので、脳では同時に見ているように錯覚し、立体視できるのです。
 また、シャッター方式でなく偏光メガネを使うタイプもあります。この場合、右目用の映像と左目用の映像はそれぞれ偏光
(一定方向にだけ振動する光)になっています。右目には右目用の映像だけを通す偏光板、左目には左目用の映像だけを通す偏光板を使うのです。

 
3D映像技術は、テレビなどの質を向上させるだけでなく、例えば大型施設建設前の模型の代わりに3D映像を使う(経費削減、より臨場感を持てるなどのメリットがある)、ロボットへ動きをプログラミングするとき実物の代わりに利用する、医療手術に利用するなど、多くの可能性を持った技術です(すでに実用化されているものも多くあります)





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