可視光領域

 太陽からは、非常に幅広い波長(周波数)の電磁波が放射され、地球にも降り注いでいます。
 波長が長い領域は電波と言われます。これは携帯電話、テレビ、ラジオなどの通信で人工的に利用しているものですが、太陽からもやってきます。ただし、極微量です。
 波長が短いX線やγ線(医療で使われる、極めてエネルギーの大きい電磁波)もやってきますが、やはり極微量です。
 太陽からやってくる電磁波は、電波よりは波長が短く、X線・γ線よりは波長が長い赤外線・可視光・紫外線がほとんどです。可視光とは人間の眼に見える電磁波のことで、その他の電磁波を人間は見ることができません。可視光の中で最も波長が長いのが赤色であるため、その外側の(赤より波長が長く、人間の眼に見えない)電磁波を赤外線と言います。逆に、最も波長が短い可視光は紫色なので、その外側の電磁波を紫外線と言います。
 太陽からはいろいろな波長の電磁波がやってきているにも関わらず、私たち人間はそのごく一部しか見ることができないというわけです。

 見ることのできる領域は生物の種類によって異なります。例えば、トンボは人間が見られない紫外線を見ることができます
(その代わり、人間には見える赤い光を見ることができません)。人類は、進化の過程で現在の可視光領域を見られる力を獲得してきたのです。
 ではなぜ、人類は現在の可視光領域を見られるように進化したのでしょう?詳しくは分かりませんが、1つの仮説として“太陽からやってくる最も強い光を見られるように進化した”という考え方があります。
 太陽からやってくる光(電磁波)のエネルギー分布は次の通りです(赤外線・可視光・紫外線以外は極微量なので、この3つの合計を100%として表しています)







 ここから分かるのは、現在の人間の可視光は太陽からやってくる電磁波の中で最もエネルギーが大きい領域だということです。
 弱肉強食の世の中では、敵や獲物を目視する能力が重要です。だから、少しでも有利になるには、最も多く存在する(太陽から最も多く降り注ぐ)光を見られることが重要なのです。この可視光領域をうまく獲得した人間が、生存競争を生き抜いてこられたと考えられています。




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