ソーラーパネルにレンズを利用

 光を一点(焦点)に集める働きがあるレンズ。これをソーラーパネルと組合せて使うことが、現在研究されています(あいち臨空新エネルギー実証研究エリア:大同特殊鋼株式会社)

 概要は、次の図の通りです。






 太陽光をそのまま発電素子
(ソーラーパネル)で受け止めるには、大きな面積が必要です。しかし、この技術(アイディア)を利用することで、発電素子を小さくすることができます。
 ソーラーパネルにはいくつかの課題がありますが(天候や気温による発電量の変動など)、コストが高いという点もとても大きな問題です。このようにレンズを使って光を濃縮することができれば、ソーラーパネル自体を小さくすることができるので、コストを下げることが期待されています。
 なお、濃縮した光がパネルに照射されるよう、太陽が動く方向にパネルが自動追尾する仕組みを使っています。
 
 ところで、「こんな単純なこと、他に誰も気付かなかったのか」と思う人も多いと思います。実はその通りで、50年以上前にアメリカではこのような構想があり、その後試作もされています。しかし、実用化には程遠いものだったのです。
 最大の理由は、集光によってソーラーパネルが高温(1000℃以上)になってしまうことにありました。ソーラーパネルでは、温度が上がりすぎると発電効率が大きく低下してしまいます。多くの光を当てようとすると発電効率が下がってしまう、このジレンマをクリアすることができなかったというわけです。
 
金属の性質を知り尽くしたメーカーである大同特殊鋼では、熱伝導性の高いアルミ合金をパネルに使用することで、自然放熱によって冷却できるようにしたのです。シンプルですが、優れた技術です。




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