水族館のイルカショーでは、イルカの素晴らしいパフォーマンスをたくさん見ることができます。空中に投げられたフリスビーを捕える「フリスビーキャッチ」もその1つです。
簡単そうに見えますが、実は水中から飛び出して空中のものをキャッチするのは困難です。その理由は、光の屈折です。
フリスビーから出た光は、水中に入るときに上のように屈折します。ですので、水中にいるイルカには実際とはずれた位置にフリスビーがあるように見えてしまいます。
しかし、水中から飛び出してキャッチするためには、イルカは水中にいるときからフリスビーの位置を正確に把握する必要があります。そこで、イルカはフリスビーを追いかけるとき、その真下を泳ぐのです。
空気と水の境界面に対して垂直に入射した光は、屈折しません。そのため、フリスビーの真下にいれば、イルカはフリスビーの位置を正確に把握できるのです。
実は、水族館でトレーニングされたイルカでなくても、同じようなことができるそうです。野生のバンドウイルカは、トビウオを空中で捕まえます。このときも、飛んでいるトビウオの真下を泳いで追尾し、捕えるそうです。
※実際には、イルカが泳ぐことで水面が波立ってしまうため、光が屈折せずに水中へ入射するのは難しくなります。よって、イルカは屈折してきた光を見ながらフリスビーの位置を推測してキャッチしているようです。すごい能力ですね!
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