ビルの高さと振動の周期

 地震などが起こってビルが揺れるとき、ビルの高さ(正確には重心の高さ)によって振動の周期(1回振動するのにかかる時間)は異なります。高いビルほど周期が長く(ゆっくり振動)、低いビルほど周期が短くなります(速く振動する)
 地震によって地盤が揺れる周期と、その地盤の上に建つビルが揺れる周期(固有周期と言います)が一致すると、ビルの揺れがたいへん大きくなり危険です(この現象を「共振」と言います)。そこで、共振が起こるのを防ぐよう、工夫されています。

 技術が進んでいる免震構造もその1つですが、ここではビルの高さそのものをどうしているかという点を考えてみます。
 地震によって地盤が揺れるとき、地盤の状態によって周期は異なります。柔らかい地盤ほど周期が長くなり、固い地盤ほど短い周期で振動します。
 つまり、地盤を調査することにより、その地域で発生しやすい振動の周期を知ることができるのです。そして、それと固有周期とがずれるようにビルを設計すればよいのです。地盤の振動の周期とビルの固有周期が一致しなければ、共振を防ぐことができるのです。
 ただ、実際には地震の規模(マグニチュード)によっても振動の周期は変化するので、地盤調査だけで充分というわけではないようです。それでも、地盤調査は安全のためにとても役立っているようです。




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