身体が大きくなると声が低くなる理由

 一般的に、身体の大きい男性は声が低いことが多いです。これにも、共鳴が関係しています。
 人が声を出す仕組みは、次の通りです。






 声道は、一般的には男性の方が長くなっています。また、身体が大きいほどそれに合わせて声道が長くなる場合がほとんどです。
 つまり、身体の大きい男性は声帯で発した音を共鳴させる気柱が長くなるため、その音は振動数が小さい(低い)音となるのです。これが、一般的に身体の大きい男性の声が低くなる理由です。
 ちなみに、男子が大人の身体へと変わっていくとき、喉仏が前へ突き出ます。このとき、喉仏に引っ張られて声道が長く伸びるため、声変わりする(声が低くなる)のです。

 ところで、声を変える遊びをするためのヘリウムガスを使ったことがあるかもしれません。100%ヘリウムだと窒息の恐れがあり危険なので、実際には酸素:ヘリウム=14という割合で混ぜられているそうですが、なぜこれを吸うと声が高くなるのでしょう?
 ヘリウムガスを吸っても声道の長さは変わらないので、共鳴する音()の高さも変わらなさそうです。ところが、ヘリウムを吸うと音の進む速さが変わるのです。

 音(に限らず波)では、速さ、波長、振動数の間に次の関係が成り立ちます。

                    V   f λ    (V :速さ f :振動数 λ:波長)

 声道の長さが変わらなければ共鳴する音の波長λは変わりません。しかし、ヘリウムガスは軽いため速さV が大きくなるのです。そのため、振動数f も比例して大きくなり、高い音になるのです。




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