超音波の利用

 振動数が20000 Hzより高い音は、人には聴こえません。この音を超音波と言います。耳で聴くことはできない超音波ですが、いろいろな用途で利用されています。
 
例えば、メガネや金属表面などの洗浄です。洗浄したいものを水中に入れ、超音波を発生させます。超音波は1秒間に20000回以上の振動をするので、その激しい振動で汚れが落ちるのです。
 カップ麺の製造でも、超音波が利用されています。容器にふたを接着するときです。ふたの接着では接着剤などは使われず、接触面に超音波を当てています。すると、超音波のエネルギーで接触面が融け、一瞬でくっつくのです。IC(集積回路)の細い導線を接続するときにも、この方法を使います。
 また、人体の診断でも超音波は使われています。内臓へ超音波を送り、反射してきた超音波を分析することでその状態を調べるという方法です。

 超音波を人が聴くことはできませんが、超音波を聴くことができる動物はいます。例えばコウモリです。
 コウモリは、自ら50000100000 Hzの超音波を発します。そして、その音が反射して返ってくるまでの時間から、物体までの距離を知ることができます。また、近くにあるものからの反射音は強くなるので、反射音の強さからも距離を知ることができます。
 さらに、動いている虫などに超音波が当たってはね返ってきた場合には、ドップラー効果によって超音波の振動数が変化します。ですので、振動数の変化から虫などの速度を測ることもできるのです。
 同じく、イルカも自ら超音波を発し、聴くことができる動物です。水族館のイルカが水槽の壁にぶつからないのは、壁からはね返ってくる超音波を聴いているからなのです。




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