津波が高くなる理由は「波は深いところほど速く進む」ことであると説明しました。
この性質は、今回のテーマの「波が海岸線に平行になる」ことの理由にもなっています。
もともと波は、海岸に対していろいろな方向からやってきます。それなのに海岸近くでは必ず、海岸線に対して平行になっています。考えてみると不思議ではないでしょうか?
この理由を次の図で考えてみます。
上の図の場合、波面の右側が浅いところを、左側が深いところを進むことになります。すると、深いところの方が速く進むため、図のように波面の方向が変わっていきます。この結果、波面は徐々に海岸線に平行になっていくのです。
これは、波の進む向きが変わっていく「屈折」という現象です。どのような方向から波が進んできても、「屈折」によって最終的に海岸線と平行になるのです。
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