海にボートが浮かんでいます。ここに波がやってきても、ボートは自分で漕がなければ移動することはありません。ただ上下運動するだけです。
　しかし、サーファーは波に乗ってうまく移動します。なぜでしょう？

　この理由を知るには、水面に生じる波(水面波)について詳しく知る必要があります。
　波は、｢横波｣と｢縦波｣の2種類あります。
　横波とは、媒質(波を伝える物質)が波の進行方向と垂直に振動するような波です。例えば、ロープを揺らしてできる波は横波です。







　それに対して、縦波では波の進行方向と同じ方向に媒質が振動します。空気中を伝わっていく音は、縦波の代表的な例です。







　では、水面波はどちらにあてはまるのでしょう？
　実は、水面波はこの2つを組み合わせたような波になっています。






　上図のように、水面波を伝える水の各部分は、円を描くような運動をしています。そして、全体として波を形作っているのです。
　そして、サーファーは次に示すような位置にうまく乗るのです。






　この位置では、水は上昇しながら前方へ移動しています。うまくそこへ乗れば、水に沈みませんし、前方へ運んでもらうこともできるというわけです。