空気中の水蒸気の温度が低下し、水滴や氷の粒になったものの集まりが雲です。雨が降れば雲の量は減りますが、地上(標高が低い方)から水蒸気が補充され、新たに雲が生成されます。
地上から上昇していく水蒸気の温度が低下する理由は、2つあります。
1つは単純に、標高が高くなるにつれて気温が下がるからです。地球の気温は、標高が100
m上昇するごとに約0.6℃ずつ低下します。
もう1つ、標高が高いほど気圧が低くなることも原因です。上昇するにつれて周囲の気圧が低下するため、水蒸気は(断熱的に)膨張していきます。そして、気体が断熱膨張するときには温度が下がるのです。
温度が下がった水蒸気は、空気中にある塵や埃を核として、水や氷の粒になります。その大きさは10
μm(100分の1
mm)ほどとたいへん小さいのですが、たくさん集まることで雲となります。
一般的な雲のでき方は以上の通りですが、飛行機が通った跡にできる飛行機雲も、似たような仕組みでできます。
飛行機のエンジンは、周囲の空気を取り込んで圧縮し、後方へ噴射します。
噴射される空気は(断熱的に)膨張するため、急激に温度が下がります。
また、飛行機は上空約12
kmほどを飛ぶので、周囲の気温はたいへん低くなっています。先ほど説明したように、標高が100
m上昇するごとに気温は約0.6℃ずつ低下するので、12
km=12000
mでは地上より0.6×120=72℃ほど低い計算になります。
急冷された水蒸気が水滴や氷の粒となり、飛行機雲になるというわけです。
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