マフラーで消音される3つの仕組み

 車の排ガスは高温・高圧となっています。そのため、そのまま放出されると一気に膨張して、騒音を発してしまいます。この騒音を軽減するため、車にはマフラーが備えつけられています。
 マフラーでは、3つの方法によって消音しています(多くの場合、3つの方法が併用されています)

 1つめの方法は、断熱的な膨張です。
 マフラー内は、いくつかの膨張室と呼ばれるスペースに分割されています。





 排気されて膨張室に送り込まれた排気は膨張します。このときに騒音が発生しますが、限られたスペースでの膨張であるため、騒音は小さく抑えられます。また、排気は断熱的に膨張するため温度が低下します。
 これを、いくつもの膨張室で繰り返すことで、排気の圧力も温度も下げることができるというわけです。

 2つめの方法は、音波の干渉の利用です。
 膨張していく排気(音波)は、膨張室の内壁で反射してくる排気(音波)と干渉します。このとき、2つの音波が弱め合えば騒音は消えることになります。ただし、排気の中にはいろいろな波長(振動数)の音波が含まれています。そのため、マフラー内の膨張室の大きさは一定ではなく、いろいろな波長の音波がうまく打ち消されるように設計されています。

 3つめの方法は、吸音材による騒音の吸収です。膨張室内には、吸音材が入っています。ここへ音波がぶつかると、音波のエネルギーが熱エネルギーに変換され、騒音が小さくなっていきます。




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