ダークエネルギー②

 前回の続きです。
  フリードマンの考えによれば、宇宙は万有引力のために減速しながら膨張していく、ということになります。本当にそうなのでしょうか?
  このことについて観測し、宇宙は減速しながら膨張するどころか、加速しながら膨張することを発見してしまったのが、2011
年にノーベル物理学賞を受賞した3氏なのです(発見は1998)
 
  宇宙が加速度的に膨張することは、次のような「超新星爆発」の観測結果から分かりました。


 




 もし宇宙が一定速度で膨張しているとしたら、赤方偏移(前回説明)の度合いは超新星までの距離に比例します(図の点線)。距離が離れているほど、遠ざかる速度が大きいからです。
  ところが観測結果は、比例関係からずれていました(図の青線)。遠方であるほど、赤方偏移の度合いが小さくなる方にずれたのです。
 遠方の超新星から地球まで光が到達するのには相当な時間がかかります。つまり遠方の超新星ほど、その「過去」を観測していることになるのです。だから、遠方ほど赤方偏移が(比例関係より)小さくなるということから、過去の方が遠ざかる速度(=膨張速度)が小さかったことが分かるのです。すなわち、宇宙膨張は加速度的だということが分かります。
 
  より正確には、宇宙は誕生後70億年までは減速的に膨張していたが、そこで加速度的な膨張に転じたことが分かっています。そして現在(宇宙誕生から137億年)も加速度的な膨張を続けています。
  この発見により、アインシュタインが自ら「生涯最大の失敗」と言った「宇宙項」が見直されるようになりました。なぜなら、万有引力だけが働く宇宙が加速度的に膨張するはずがないからです。
 宇宙項を導入することで、次のように説明できます。

・宇宙空間にある物質は、宇宙の膨張に伴って薄まっていく→物質間に働く万有引力も弱くなっていく
・宇宙項は宇宙全体に漂っていて、宇宙空間が広がっても薄まらない


だから、
・宇宙初期は 万有引力>宇宙項 で、減速的に膨張し
・あるときから 万有引力<宇宙項 となり、加速度的に膨張するようになった。

 宇宙を膨張させる働きをする宇宙項は、現在「ダークエネルギー」と呼ばれています。
 そう呼ばれる理由は、その正体がよく分かっていないからです。正体は分からないが、宇宙空間を広げる「仕事」をするものなので、「エネルギー」と呼ばれています。

 ちなみにこのダークエネルギー、エネルギー換算で宇宙全体の約73%も占めることが分かっています(ちなみに残りの約23%は「ダークマター」と言われるもの、銀河や星などの元素は約4%に過ぎないのです)
 

 もしこれからも加速度的な膨張を続けたら、宇宙はどんどん空っぽな状態になっていくでしょう。観測できる銀河もどんどんなくなっていくのです。そんな、とても寂しい宇宙になっていくのでしょうか?





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